No.4 富士山登山[2004/08]

■アウトライン
世の中には苦労や努力をしないと手に入れられないものが存在する。富士山登山で得られる達成感はまさにその1といえるとここに断言しよう。これはいくら感動的に語ったとしても、その何分の一しか伝わらないと思う。ここでは、そんな富士山登山をちょこっと紹介する。

登山
と言っても海抜0mから登る訳ではない。標高2,000m付近にある五合目までは車で行けるので、残りの1,800m弱を登ると言うことである。なーんだ2Kmか、なんて短絡的に考えてはいけない。その行程は私も6時間〜7時間程度かかっている。もちろん途中で休憩は取るが、ほぼ歩きっぱなし(登りっぱなし)である。これを苦行と言わずしてなんと呼ぶのか。
そんなに辛ければやらなきゃ良いのだが、頂上に到達したときの達成感たるや他に例えようが無いほど素晴らしい。こんなに清清しい気分になれることは、今の日本では他になかなかお目にかかることはできない。日本人たるもの、一度くらいは登ってみても損は無いのではないだろうか。お年寄りや小学生でも登ってるから、普通の大人なら成功できると思う。これを書いている2004年夏現在までに3回の登頂に成功した。たぶん今後も登ると思う。何故って?そこに富士山があるからですよ。。。



頂上を目指して一歩一歩進む!



■準備
富士山は7月〜9月の期間限定でしか登れません。
このような真夏の登山でも、頂上付近ではかなり冷え込むので、それなりの用意が必要です。昼間なら平地で30℃あっても頂上では10℃にも達しない。特に夜間は真冬のような寒さ(特に風が)なので、登り始める時間によって準備する服装が変える必要があり、具体的には次の物があれば良いと思われる。

<共通>
軍手(何かと便利)
帽子(直射日光が辛いです)
日焼け止め(天気が良いとかなり日焼けします)
サングラス(かなり眩しいです)
杖(あれば楽。五合目で焼印用の杖を買うことも可能)
水分、食料(水500mlPETボトル2〜3本、おにぎりなど軽食。ウイダーインゼリーも良し)
リュック(着替えとか入れます。大きめを用意)
傷薬(バンドエイドや消毒液など)

<昼登山の服装>
ジーンズ
Tシャツ
トレーナー(7合目ぐらいから)
ウインドブレーカー(8合目ぐらいから)

<夜登山の服装>
スキーウェア上下(7合目ぐらいから)
懐中電灯(絶対必要)


■ルート
富士山にはいくつかの登山ルートがある。私は過去に東名高速御殿場から降りて割と近い「須走口」を2回、「御殿場口」を1回制覇した。今度は山梨側や関西側から登るというのも面白いかも。
私はどちらかと言えば「御殿場口」の方が好きである。というのも、「須走口」の下山道にある砂走りと呼ばれる区間がなかなかツライからだ。初心者には「御殿場口」の方が良いのではないだろうか。
くわしくはここなんか参考になるかも。

○日中日帰りコース
午前6時ごろスタート→午後1時ごろ登頂(1時間休憩後下山)→午後4時ごろゴール
初心者にもお勧め。

○夜間日帰りコース
午後10時ごろスタート→午前5時ごろ登頂(1時間休憩後下山)→午前9時ごろゴール
御来光を拝むことができる。

○宿泊コース
午前10時ごろスタート→午後4時ごろ登頂(宿泊&午前5時ごろ下山)→午前9時ごろゴール
御来光を拝むことができる。


■道中
九合目を超えるとゴールが見えてくるので最後の力を振り絞ることもできるが、精神的にも肉体的にも一番辛いのは七合目から八合目ぐらいだと思う。とにかく辛い。一歩がなかなか踏み出せません。休憩も取りすぎると体が動かなくなるため、座らずに杖に体重を乗せてじっとしているなどが効果的である。
体の不調と言う点では、高山病にも注意したい。症状を具体的に言うと頭が痛いとか耳鳴りがするという程度のもので、しばらくすればすぐに治ってしまうことがほとんどなのだが、あまり気持ちの良いものではない。私にはあまり効果が認められないのだが、酸素ボンベが東急ハンズで1,500円ぐらいで売っているから用意しておくと気休めぐらいにはなるかもしれない。
こんなの → これ


■アメニティ
富士山のトイレ環境と宿泊施設の劣悪さはぶっちぎりだ。水源の確保が難しいので仕方が無いとは分かっているけど、頂上付近のトイレの臭さは殺人級である。どのぐらい臭いかというと、臭いが目に見えそうなそのぐらい臭い。ほんとぉに臭い。
宿泊は1度だけで体験したが、この体験もまた殺人級だった。10畳ぐらいの小さい部屋に20人ぐらいが押し込まれ、身動きも取れぬまま死んだように眠るしかないのだが、同行した友人は手足の感覚が無くなり、私は吐いてしまった。アウシュビッツ収容所かよ!これほど辛い夜をかつて経験したことがあっただろうか。ハッキリ言って登山そのものよりも、この宿泊が一番辛かった。朝を迎えたときは、友人と手を取り合って死からの生還の喜びを分かち合ったものである。宿泊は素人にはお勧めできない(キッパリ)。




9合目で見たご来光の瞬間!!



■登山を振り返って
冒頭から何度も書いた事であるが、最後にもう一度言わせてほしい。
やっぱり富士山登山は楽しい。楽しい・・・というと表現がちょっと違うかなぁ。これほど分かりやすい充実感や達成感は他にない。一番辛い8合目〜9合目あたりは、毎回「なんで富士山なんか登ろうと思ったんだろう?」と後悔の念に埋もれそうになるのだが、登り終えて温泉につかっていると最高に気持ちよい。これもまた事実。

たった4,000m弱の環境でネを上げてしまうなんて、人間の体なんてたいしたことないなぁと思う。大気圏の端まで20,000mあったとして、人間が適応できる範囲は海抜0mからほんの数十m〜数百mぐらいしかないのだ。しかも大気圏なんてのは地球の大きさから見れば、ミカン本体とミカンの皮ぐらいの関係だろう。人間はそのミカンの皮のさらに底辺で蠢いている生物と考えることもできる。それはまるで水深20,000mの深海にひっそりと住む深海魚のようだ。人間なんて偉そうにしてるけど、一生僅か数十m〜数百mの限られた狭い範囲でしか生きていけない弱い生き物なんだなぁ〜〜。

大自然の前では人間のちっぽけさを再認識しちゃいますねぇ。
さぁ、今度はいつ登ろうかな?

 
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