No.6 進化論[2005/11]

肉か魚かと聞かれれば魚派の私。
なぜ魚はあんなに美味いのだろうか。

例えば植物。一般的に植物は自ら種子を遠くに運搬することができない。そのため彼らは子孫 を残すため、新天地へ赴く手段として動物にその役割を担ってもらう道を選択した。 その為に果実は甘く美味しく、すすんで動物に食べられやすく進化したと考えること ができる。果実の外観が目立つ色で配色されることが多いのも、ひとえに捕食者によ り発見されやすく、興味を持ちやすくされるために他ならない。このような努力の結 果、たくさん食べてもらうことにより子孫を残す可能性が高くなるのである。不味か ったら誰にも食べられず、結果的に淘汰されてしまう。

その点魚はどうだろうか。
外敵に捕食されることは、捕食される側にとって進化の過程でさほど必要とは思えな い。むしろ捕食されないように神経を研ぎ澄ませている。だけどマグロとか美味しい 系の魚って、全身に美味しく身が詰まってる。エビとかカニ等に至っては、ほとんど が身な訳で。牛とか鳥とか豚は人間が都合よく改良した経緯があるけど、魚ってその 点あんまりない(はず)。
そう考えると、魚たちはなぜあんなに捕食する側の都合よく(おいしく)進化したの だろうか。美味しく進化する必要なんてないじゃないのか。例えばウミウシみたいに 不味く進化してれば良かったのではないだろうか。ウミウシ食べたこと無いけど捕食 する側も吐き出してしまうほど不味いらしい。これは自らの身を守るための進化とし ては正当だと思う。

ここまで考えて、今度は捕食する側の進化に目を向けてみる。
実は捕食される側が美味しく進化したのではなくて、捕食する側の好みが捕食する対 象を美味しいと思うように進化したと考えることはできないだろうか?彼ら(例えば マグロとかエビとか)は好んで捕食されまいと必死に不味くなろうと進化したのかも しれないが、捕食する側(例えば人間)がそれを上回る勢いでマグロやエビを「おい しく思うように進化」したのだ。なぜならどんどん食べていかないと捕食する側も滅 んでしまうからね。

と、採れたてのキスを食べながら「俺は遺伝子によってこれを美味しいと思わされて いるのかもしれない」と考えていたのであった。

なんつってな。
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