Tazの水中撮影器材について[2006/03追記]
使用しているデジタルカメラについて

最初に断っておきますが、私は「カメラ」にも「水中写真」にもそれほど精通している訳ではありません。これからデジタルカメラによる水中写真を始めようと思っている人や、同じ機種を使用している方に少しでも参考になれば幸いですが、記述してある内容について間違がっていても何の責任も持てませんので予めご了承ください。

デジタルカメラによる水中撮影は、2001年頃にオリンパスが本格的に参入して市場を開拓してきた経緯があります。現在においてもオリンパス勢がこの分野でシェアも抜きんでており、水中写真のフォトコンテストではオリンパス機を使用した作品が圧倒的に多い、という状態が続いています。ソニーやキヤノンもそれぞれ自社製品を投入していますが、この差は当分縮まりそうにありません(2003年夏現在)。

私は水中写真をキヤノンのデジタルカメラ、PowerShotS50(以下本機と表記します)を使用して撮影しています。このカメラは2003年の春に発売された、コンパクトデジカメの中では割と高機能な部類に入るカメラです。市場にはたくさんのデジカメが販売されておりますが、私がこのカメラを選んだ理由は主に次の通りです。
CANON PowerShot S50
キヤノンの公式ホームページはこちら
500万画素数による精密な描写
画素数は単に多ければ良いと言う訳でもありません。多ければそれだけ精密な描写可能になりますが、使用するCCDとの兼ね合いによって画質が決まるので一概に「画素数が多い = 画質が良い」とは言えないようです。ちなみに本機では1/1.8サイズのCCDを使っていますが、今後は画素数よりもCCDサイズの変更や写真の仕上がりによる差別化が主流になるのではないでしょうか。

ギリギリ胸ポケットに入るコンパクトサイズ
これ以上大きくなると普段持ち歩けないので却下です。私は水中の使用と同様に陸上での使用に関しても利便性を求めるので、本機がギリギリの大きさです。

フルマニュアル操作が可能
マニュアル操作とは絞りやシャッタースピードなどの操作を、オートだけでなく手動でも設定できる機能を指します。より小型のカメラは、そのほとんどがフルオートでの撮影のみ対応しているのに対し、本機は小型ながら一眼レフカメラ並みのマニュアル操作ができます。

所有する喜びを感じさせる、カッチリとした金属ボディ
個人的な好みの問題ですが、キビキビとした操作感や全体的な作り込みは、なかなか上品な作りになっていると思います。ただし、コンパクト機の中では重い方です。

メーカー純正のハウジング(ウォータープルーフケース)がある
ハウジングとは、カメラを水中で使用できるようにする防水・防圧のケースのことです。これまで一眼レフ機のハウジングは、カメラメーカー以外の会社が金属製や強化プラスチックなどを使用したかなり強固なものを使用してました。これらは1個で10万円以上もする、かなり高価なものでしたが、オリンパスやキヤノンが自社製品として強化アクリルガラスなどを使用した安価なハウジングを出したことにより、水中写真が身近なものになったと思います。この功績は大きいです。
ですから、メーカー純正の安価なハウジングが出ていないと、高価なハウジングを買うハメになるか、そもそも水中撮影ができない、ということになります。デジカメを買う前に、純正のハウジングが出ているか確認しましょう。

前機種(PowerShotS40)の資産をそのまま継承できる
本機の前はPowerShotS40を使用しておりました。外見上のサイズは同じなので、S40に使用していたメモリカード(CF)、バッテリ、ハウジング、レンズやストロボがそのまま流用できます。
S40とS50を比較すると、S50は全体的な操作感がキビキビしてます。AFの精度も上がっていると実感できます。ストレスは確実に減りました。

PowerShotS50の使用感について

操作感は非常に気に入っています。画質やデザイも含め、完成度の高いカメラだと思います。そうでないとS40からS50へ買い替えはしなかったでしょう。希望を言えばもう少し薄くなって軽くなればさらに嬉しいのですが・・・。バッテリの持ちも気になりますね。1ダイブ = バッテリ1個と考えた方が良さそうです。予備は必須ですね。私は常に3個持ってます。

画質に関しては、コンパクトデジカメで考えるとこれ以上は必要ないかな〜と思えるくらい、クリアで良い発色をしていると思います。上を見たらきりがないし、性能、価格、大きさを考慮すると私にはベストの選択だったのです。
マニュアル操作が可能なので、シーンにあわせて露出などを工夫したりできるので飽きません。たくさん試行錯誤子してバッチリな写真が撮れた時は非常に嬉しいものです。こーいう楽しみ方は、マニュアル操作ができるカメラでしか味わえないものだと思います。「写真撮影」についていろいろ研究するようになりました。

500万画素モデルだけあって、ファイルサイズはJPEG最高画質で1枚につき2MBから3MBとかなり巨大になります。「大は小を兼ねる」の精神で常に最高画質でしか撮影しませんので、512MBと256MBのメモリカード(CF)を使用しています。
なお、RAW形式も使えますが私は使ったことがありません。

その他の部品について
カメラ本体以外のパーツについて説明します。

Tazのデジカメ水中撮影器材セット
キヤノン純正ウォータープルーフ
WCP-300
外部ストロボ
INON D-180
ワイドコンバージョンレンズ
INON UWL-105AD
クローズアップレンズ
INON UCL-165AD
イノンの公式ホームページはこちら

撮影器材スタンバイ状態(かなり重いです・・・)



< 器材説明 >

ハウジング(ウォータープルーフケース)
上述のメーカー純正のものを使用しています(WCP-300)。耐圧-30mなので、一般的なファンダイビングに関しては問題ないでしょう。私もそれ以上深く潜りたくはありませんし・・・。良くできてますが、改善点を挙げるとすればシャッターボタンが使いにくいです。オリンパスのメーカー純正ハウジングのシャッターはレバー式なので軽い力で押すことができます。ちょっと羨ましいなぁ。

外部ストロボ
水中で足りない光を補います。詳しくは「水中撮影テクニック」でも述べてますが、内蔵ストロボと比較するとやはり次元の違う色を再現させることができます。内蔵ストロボに飽き足らなくなったら、外部ストロボの購入をお勧めします。私はイノン社のオートストロボ「D-180」を使用しています。
D-180はカメラの絞り値を設定してやれば自動で光量を調節してくれる、オート機能を備えています。

ワイドコンバージョンレンズ
水中では光の屈折の関係で、陸上よりも画角が狭くなるそうです。ワイドコンバージョンレンズをカメラの前に装着する事により、その画角を補う事が出きます。海の広がり感や大きい生物を写す場合に効果があります。
私はイノン社のワイドコンバージョンレンズ「UWL-105AD (\24,000)」を使用していますが、陸上でも使用することができます。陸上での画角は179°にもなるので、かなりおもしろい絵が撮れます。

クローズアップレンズ
たいていのデジカメには「マクロモード」という機能が付いており、被写体に近づいた撮影をする時に使用します。このマクロ撮影の性能はカメラによってかなり差がありますが、本機のマクロモードはノーマル状態で被写体まで30cm離れる必要があります。これ以上近づくとピントが合いません。しかし、ウミウシなど極小の生物を撮りたい場合は寄りが命です。迫力のある写真が撮れません。
そこで私はイノン社のクローズアップレンズ「UCL-165AD (\12,000)」を使用しています。これは重ねて使用することができ、重ねるほどに接写性能が上がります。ただし重ねすぎると画質や被写体深度の問題で不具合が生じ易いらしいので、私は2枚重ねで使用しており、これで被写体まで数cmまで寄ることができます。また、ワイドレンズ同様陸上でも使用することができるので、これも重宝しています。
ワイドコンバージョンレンズ「UWL-105AD」使用例
コンパクトながら水中画角最大105.6°を確保 陸上では対角線画角はなんと179°
クローズアップレンズ「UCL-165AD」使用例
PowerShotS50ノーマルレンズ、マクロモードによる撮影。
被写体まで30cm離れないとピントが合いません。

クローズアップレンズUCL165を二枚使用。
被写体まで数cmまで寄ることができます。

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