使用カメラについて[2006/03]
CANON EOS 20D

ダイビングを始めてまだ20本にも満たない頃になんとなくカメラをやってみたくなって始めた水中写真。それがこれほどハマるとは当初は思ってもいませんでした。
もともと特別に写真が好きという訳でもなく、せいぜい小型のオートフォーカスのカメラを持ってる程度で、面倒なときは「写るんです」でいいんじゃないですかと思う人間でした。その頃はそれに何も不便も感じなかったのですが・・・人間は変わるものですね(笑)。水中写真から始まり現在では陸上でもちょっとした機会があればバッグにカメラとレンズと三脚を持って出かけるようになりました。

2006年現在、私のメインカメラはキヤノンのEOS 20Dというデジタル一眼レフ機になりました。水中写真を始めた2001年当初は同じくキヤノンのPowerShotS50というコンパクトカメラをメインとしていましたが、2005年の夏に奮発してとうとうデジタル一眼レフの世界に足を踏み入れてしまったのでした。購入した2005年はキヤノンからEOS KISS Digital N やニコンから D70 といった10万円を切る本体価格の機種も出揃い、市場が非常に活気付いていました。EOS 20Dを選んだ経緯は使用するレンズと水中に持ち込むときの条件によるものでした。レンズについては後述しますが、水中に持ち込むときの条件、それはハウジングに入れてダイヤルによるマニュアル操作ができることと、INONが出しているMRSポートが使用できるというものです。
PowerShotS50についての記事はこちら


CANON EOS 20D と EF100mmUSM Macro

そもそも、なぜコンパクトデジカメから一眼レフへの転向を志したのか?それは一言で言えば「一眼レフでしか撮れない写真が撮りたい」ということです。一眼レフでしか撮れない写真・・・そんなものがあるのでしょうか。もしかしたら言い訳かもしれない。腕があればコンパクトカメラでもすばらしい写真が撮れるのは事実。しかし、どうしてもコンパクトカメラでは撮れない絵というのが存在するのです。例を挙げればボケ味と画角です。
一眼レフカメラというのは撮影対象に合わせてレンズを交換できるため、絵作りに幅が生まれます。コンパクトカメラは1つのレンズで広角からズームまで対応しなくてはならないので、どうしても絵作りはそのレンズが持つ性能に限定されます。極端な言い方をすれば、一眼レフカメラで撮った写真の仕上がりはカメラ本体よりもレンズによって決まるといっても過言ではないでしょう。私は現在シーンに合わせて3本のレンズを使い分けていますが、気がついてみると撮影目的や表現意図によって広角から超望遠までたくさんレンズを購入し、カメラ本体価格よりも何倍もレンズ代に費やしていた、なんてことになりかねません(これをレンズ沼にハマルと言います)。

【ボケ味と画角】
ポートレートでは、メインとなる被写体にはピントをばっちり合わせて背景はボケた処理を行うことによって、メインの被写体を浮き上がらせる手法をよく使います。このボケ味はレンズ特性からコンパクトカメラと一眼レフカメラでは比較になりません。
EOS 20Dを使ってマクロ写真を撮影する時は、キヤノンのEF 100mm F2.8 USM Macroというレンズを使用しています。このレンズはその名のとおり100mmという固定された画角を持っています(EOS 20Dと組み合わせたときは厳密には160mm相当になりますが)。このレンズの描写力は素晴らしく、ファインダー越しに覗くその世界は言葉では言い表せないぐらい惚れ惚れしてしまいます。オートフォーカスの性能も抜群で、気持ちよくビシバシ決まります。私がEOS 20Dにした理由の一つ、それがこのレンズを使いたいから、というものです。【sample 1】のように、中央の被写体にはシャープにピントを合わせ、その前後の像はあえてボケさせています。これにより、中央の像がより印象的にクローズアップされる効果を狙っています。

一方、ワイドな写真を撮影する時はキヤノンのEF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMというレンズを使用しています。これは画角が10mmから22mmまでのズームレンズですが、10mm端で使用すればかなりワイドな画角が得られます(EOS 20Dと組み合わせたときは厳密には16mm相当になりますが)。
【sample 2】のように、メインの被写体を中央に置いても背景の空ははなりワイドに写しこむことが可能で、迫力の出る効果を狙っています。このレンズはEOS 20Dユーザーであれば必須といっても過言ではないでしょう。それほどEOS 20Dの性能を引き出してくれます。

このような撮りたい絵によってレンズを使い分ける楽しみと、ファインダーを覗く楽しみが一眼レフカメラにはあります。



【sample 1】
CANON EOS 20D と
EF 100mmUSM Macro
【sample 2】
CANON EOS 20D と
EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM



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