そもそも私はドライスーツは「欲しいなぁ」と思っていたけど、いつ頃買うのか全然予定を立てていなかった。自宅に届いた某器材量販店のダイレクトメール「12月決算キャンペーン」にまんまと乗せられて、気がついたら購入していた。我ながら行き当たりばったりである。
ドライスーツの価格はピンキリで、下は5万円ぐらいから上は30万円ぐらいまでの品揃えがある。30万円は極端だがやはり高い物は機能も高くデザインも良い。自分で作ってみて思ったのだが、ドライスーツをオーダーする上で大事なのは(1)採寸、(2)生地、(3)リストバルブの有無、ではないだろうか。
(1)採寸
自分の体型にフィットした物を作る為に必須である。レンタル品を使用した人は体形に合わないと結構水没しているという話を聞く。ここはパンツ一丁で採寸してぴったりの物を作ってもらおう。
(2)生地
スーツの内側の生地である。いわゆる安い生地は保温性が低い。寒さに対抗する為にインナーとして着る服が増えてしまうとその分浮力も増えてしまい、機動性が落ちてしまう。保温性の高い生地でスーツを作るメリットは大きい。また、ちょっと良い生地になるとスクイズでスーツが縮んでも痛みを緩和してくれる。
(3)リストバルブの有無
手首にスーツ内のエアを抜くバルブを付けるか否か、ということである。通常オプション扱いになっているので追加料金を払う必要があるが、これはあると便利である。特に水中写真をやっているのなら撮影しながらでも簡単にエアーを抜く事ができるのでオススメ。逆にフットバルブ(足首)は無くても良いらしい。私はフットバルブは最初から付けていないので比較することはできないが、暖まったエアが意図せず足首から洩れてしまうらしい。
以上を鑑みて、私はばっちり採寸し、ちょっと上等の生地を使い、リストバルブをオプションで装着して某量販店でトータルで10万程度のスーツをフルオーダーした。その外観はウエットスーツのデザインとそっくりで、個人的には気に入っている。2003年12月9日にオーダーして、年内の初ドライスーツ・ダイブに間に合ったのであった。
ライセンス団体によっては「ドライスーツ・スペシャリティ」というコースがあって、それを習得するとドライスーツが使えるようになる、というよくわからないコースがある。他にもボート・スペシャリティとかカメラ・スペシャリティとか習得するのに各数万円払わなければならないコースがあるのだが、私はそんなの一度も取ったことがないので、今回もそんなコースは習得しないことにした。
結論から言うと、私の初ドライスーツ・ダイビングは快適そのものだった。前述した新たなストレスの種さえ早い段階でクリアできれば、ウエットスーツでは潜れなかった海を満喫することができます。これはもう凄い発見。
また、水中は言うに及ばず陸上も極めて快適であると強く言いたい。1本目が終り、2本目に備えて陸上で休憩している間が快適なのは7月〜8月ぐらいであり、それ以外の期間は寒さに震えていることが多い。しかも体がようやく乾いた状態からまた半乾きの冷たいウエットスーツを着る瞬間が結構嫌いだ。ドライスーツはそれがない。エキジットしてスーツを脱げばすぐに普段着に戻れるので、海面休息時間が非常にラクなのだ。これは予想以上にダイビングを快適なものにしてくれます。それは間違いない。 |