No.1 赤い羽根[2004/05]

駅前で赤い羽根募金の為道行く人に大声で「よろしくお願いしまーす」と呼びかけている学生さんを見かけることがある。それはきっと年に数回ある「○○○週間」のようなもので、近郊の中学校やボーイスカウト団体が引き受けているのだろう。きっと学生である彼らには、その募金活動に対しての報酬というものは無いんだと思う。朝早くからそれはそれはご苦労様です、と一応敬意を表したい気持ちになるのだが、まだ一度も街頭で募金箱にお金を入れたことはない。

誰かが入れている様子をたまたま見たことがあるが、「ありがとうございましたああ」と大声で周り中に響き渡る。私なら恥ずかしくてその場を駆け足で去ってしまうだろう。赤い羽根を胸に挿してもらうなんて言語道断である。赤い羽根は何の為に付けるのか?「私は募金も行う善人です」ということを周囲にアピールする為ですか?自己満足の象徴?善意は誇示する為にやるもんじゃないし、コンビニのレジにある募金箱にそっと小銭を入れる方がよっぽどスマートだと思う。彼らの前を素通りで去っていく時はいつも伏し目がちで足早になる。まるで募金をしない自分が極悪非道な人間であることを隠すかのように、その笑顔の圧力から目をそらすように・・・。

そんな学生さん達には、街頭で募金を募る時間を自らアルバイトでもしてお給金をそのまま全額寄付すれば良いのではないだろうかと提案したい。最低賃金を時給750円として、毎日2時間働くメンバーが5人いたら1日で7,500円です。おそらく足を棒のようにして通行人に叫ぶよりも、よっぽど多く集まるに違いない。
もちろん学生がアルバイトなんて・・・という考えがあるかもしれない。でも公共的な活動、例えば道路や公園の掃除とか老人ホームへの慰問でも良い。必ずしも万人の目に留まる必要は無い。その労働の対価として公がアルバイト料を支払う代わりにその額を寄付する。彼らは無償奉仕でその役を買って出ている訳ですから、限られた時間内でたくさんの寄付金を集めるという目的に対しては、そちらの方が幾分も有効だと思うのです。

善意の押し売りを強要されているようで、私はあまり好きではありません。

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