水中撮影仕様について[2006/03]
CANON EOS 20DとDIVハウジング

「水中写真って?」と書いたように、水中写真を行うには陸のカメラと専用のケースを用意するか、または水中カメラを用意する必要があります。2006年現在、私はキヤノンのデジタル一眼レフカメラにDIV社製のハウジングを使用しています。

【sample 1】
DIV ハウジングと
INON MRS100 Port type U

コンパクトデジカメの場合はケースを用意すればとりあえずそれだけで水中撮影はできます。ところが一眼レフカメラを使用する場合はそうはいきません。ハウジングはあくまでも「カメラ本体」を入れる箱です。「使用カメラについて」で書いたように、一眼レフカメラの醍醐味は、被写体によってレンズを交換して使えることにあります。つまり、レンズを交換することによって、そのレンズごとにポートとよばれるパーツが必要になります。
【sample 1】で言うとDIV社製のハウジングは青い部分で、その前の黒い筒型の物がポートとよばれるパーツになります。このポートはINON社製のMRS100 Port type Uと呼ばれるパーツで、マクロ写真で使用するキヤノンのEF 100mm F2.8 USM Macroというレンズ専用のポートです。
極論を言えば、水中写真を撮るのにEOS 20D を選んだ理由は、このレンズとこのポートが使えるから、と言い切ってしまえるかもしれません。もうちょっと言えば、EOS 20Dでこのレンズとこのポートが使えれば、ハウジング本体もどこのメーカーの物でも良かったのです。DIV社のハウジングを選んだのはINON社がなかなかEOS 20D用のハウジングを製品化しなかった、というのも大きな要因です。2年越しでようやく発売されるようですが・・・(笑)。ちなみにハウジング本体が青いのは特注です。ノーマルは黒い筐体になります。

ちなみにワイド写真ではワイド用のレンズに交換しますが、とうぜんポートもワイドレンズ用にあった物を用意する必要があります。【sample 2】はハウジング本体は同じDIV社製ですが、レンズとポートをそれぞれキヤノン FISH EYE 15mmとINON社製のワイドポートに交換した状態です。

【sample 2】
DIV ハウジングと
INON ワイドポート

INONのMRS100 Port type Uについて

DIVハウジングに決めた・・・というか、もっといえばEOS 20Dに決めた大きな要因でもあるINON社製の「MRS100 Port type U」とはいったい何なのか。一言でいえばピント合わせが楽しくなるポート、です。
マニュアルフォーカスによる水中写真を楽しむ場合、ピント合わせを手動で行わなければなりません。ピント合わせの方法とは、陸上であれば左手でレンズのフォーカスリングを回すことによって行うことは誰でもイメージつきやすいと思います。ところが水中ではレンズを触ることができません。そこで、【sample 3】のアンティス社製ハウジングのように、左手グリップの付近にあるツマミをクルクル回すことによってピント調整を行う仕組みが水中写真においては一般的でした。(このツマミが中のギヤと連動してレンズのフォーカスリングを回すような仕組みになっている)


【sample 3】
Anthis Nexus D70 と
Anthis 60mmポート
【sample 4】
DIV ハウジング と 
MRS100 Port type U

これに対してINON社のポート「MRS100 Port type U」は、本来の姿である左手でレンズのフォーカスリングを回すような仕組みでマニュアルフォーカスができる仕組みを有しています。【sampls 4】のポート中央にオレンジ色のラインがありますが、その先の部分がレンズのフォーカスリングと同様に回ります。INON社独自の技術、マグネットロータリーシステムを使用することにより、中に入っている100mmマクロレンズには触れずにポートを回すだけでフォーカスレンズを連動させることができるのです。
マグネットロータリーシステムとは、その名の通り磁力でレンズのフォーカスリングを回す仕組みを言います。具体的には【sample 5】のように、レンズに強力な磁石がついたリング状の部品を取り付け、この状態でハウジングとポートにセットします。MRS100 Port type U側にも強力な磁石が内蔵してあるので、ポートのリングを回せば中のレンズのリングも連動してフォーカスリングを自在に操れる、という優れものなのです。

【sample 5】
磁力リング装着の状態

カメラ・ハウジングの選定を行っている際にこのマグネットロータリーシステムを借りたことがあり、その時に「これしかない」と思いました。とにかく陸上と同じようにフォーカスできるので非常に使いやすく、フォーカス自体が断然楽しかったのです。動作も機敏なので動きの早い被写体でも適しており、現在のところこのシステムを超えるフォーカス方法は無いと断言します。

この先カメラ本体やハウジング本体を買い換えることがあったとしても、この100mmマクロレンズとMRS100の組み合わせだけは継承していくような気がします。ということは、この先もキヤノンとINONと心中なのかなぁ。まぁいいか(笑)。



水中撮影器材まとめ:(2006年3月現在)

カメラ:キヤノン EOS 20D
レンズ:キヤノン 100mmUSM Macro
ハウジング:DIV
ポート:INON MRS100 Port type U
外部レンズ:INON クローズアップレンズ No.3

ストロボ:INON D180(光スレーブ接続)
ライト:UK LightCannon100(HID)

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